アメリカ暮らしと子育てと

アメリカに住む主婦の家の事あれこれ記録

病気の麻呂

麻呂がご飯を食べなくなった。


最初は気に入らないんだと思った。


でもおかしかった。


もう2日も食べてない。


病院に連れて行った。


血液と尿の検査をした。


ひどい貧血だと言われた。


原因が思いつかなった。


このまま何もしないと一週間以内に死ぬと言われて頭が真っ白になった。


検診だけで五万円になった。


別の病院に行くように言われた。


超音波やX線、fivの検査に15万位はかかるだろうと言われた。


とりあえず、施設の整った病院に行った。


専門医と話をした。


原因は不明。症状から病名を割り出すことはできない。


そう言われた。


詳しく検査をしようと言われた。


費用はいくら位ですか。


そう聞くと、目安をプリントアウトして持ってきてくれた。


20万から40万だった。


検査だけで、しかも検査をしてもわからないかもしれないと言われた。


今の段階で考えられるのは、多すぎてわからないと言われた。


旦那と電話していいかと聞くとらもちろんといって部屋を出て行った。


検査だけでその値段。


検査をしたら病名がわかって治療して治るのかもしれない。


でも頭に最初に浮かんだのは金額。


無理をすれば出せる。でもその後の治療費はきっと出せない。


どうしよう。


でもこれが麻呂の寿命なのかもしれない。


結石の手術の時に、後二時間遅れていたら死んでいた。そう医師に言われた。


あの時から8年。


元気に幸せだっただろうからもう良いかな。


そう旦那とも話し合った。


友人の母親の死を目の前にして、生と死について本気で考えていたこの一ヶ月。


このタイミング。


生かすも殺すも自分次第。


その罪悪感と責任感。


選ばないといけない。


嫌でも選ばないといけない。


「連れて…帰ります。」


最後は言葉にならなかった。


ただただ嗚咽が込み上げてくるだけで、あぁ、私は世界で一番可愛い麻呂を見殺しにしてしまうんだと思った。